< そば王国ブルターニュを訪ねて >
(118号会員) 渡辺克己
09年7月、全麺協の海外視察に参加した。フランス西部ブルターニュを移動しそば料理、そば製粉、そば栽培などがフランス人の食生活にどう溶け込んでいるかを探った。札幌発着1週間の駆け足旅ではあったが、極東アジアの島国とは一味異なるそば食文化がそこに定着していた。またフランス人も日本人も食べることにかけては世界に冠たる舌を備えているといわれるが、そうした食い道楽とは対照的に、そばクレープなどは質素な田舎料理の系譜にあること、その地味系料理も支持され、“そば王国”の味覚を磨いてきたことを思った。プロのそばクレープ職人の全仏コンクールが存在することなどは驚きだった……